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マンションの大規模修繕工事とは?業者の種類や選定方法を紹介

マンションの外観や設備に経年劣化が見られたら、大規模修繕工事のタイミングです。
建物の大規模修繕が必要になると、施工業者を見つけなければなりません。
そこで頭を悩ませるのが、「どこの補修業者に依頼すればよいのか」。
大規模修繕は工期が長く、費用も高額なため、失敗のないようにしたいと考えるものです。
本記事では、マンションの大規模修繕工事を請け負う業者の種類や、業者の選定方法を解説します。
条件に合った優良業者を見つけて、後悔のない大規模修繕工事を行いましょう。

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大規模修繕の目的やスパン

マンションはどれだけ頑丈に建てられていても、雨風や日射の影響で少しずつ劣化します。
劣化が進むと景観を損ねるだけではなく、不具合が起きやすくなるため、定期的な修繕が必要です。
では、大規模修繕はどのくらいのスパンで行えばいいのでしょうか。
国土交通省が公表している「長期修繕計画作成ガイドライン」によると、次のようなスパンが目安とされています。

  • 12~15年目(第1回)
  • 24~30年目(第2回)
  • 36~45年目(第3回)

近年は建築資材の耐久性が高まっていることから、15年以上が経過していても劣化が目立たない場合もあります。
大規模修繕が必要かどうかは目視で判断するのは難しいため、専門家による劣化診断を受けるのがおすすめです。
早期に劣化が見つかれば、修繕費用を抑えられる可能性があります。

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修繕業者の種類

マンション大規模修繕の依頼先は、主に5つあります。それぞれ特徴が異なるため、詳しく解説します。

ゼネコン

ゼネコン(ゼネラルコントラクター)とは、総合建設業者とも呼ばれる建設会社のことです。
営業から設計、施工まで一貫して行います。主にオフィスビルやマンションの新築工事がメインですが、リフォームや大規模修繕なども受注可能です。
ゼネコンは施工技術や社内組織がしっかりしているため、安心して依頼できます。
デメリットとしては、専門業者のように特化した知識や経験は建設会社によって異なることです。
新築工事を専門としているため、入居者への配慮が行き届かない恐れもあります。
ゼネコンに依頼する際は、入所者への気配りや工事の進め方が問題ないか事前に確認しておきましょう。

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工務店

工務店とは、地域密着型の施工会社のことです。戸建ての新築・リフォームを請け負うイメージが強いかもしれませんが、マンションやビルなどの大規模修繕を行っている工務店もあります。
地域密着型にこだわる工務店は営業範囲を限定して、他の業者よりも広告宣伝費や建築資材の搬入費などにあまりコストをかけないことがほとんどです。
そのため、大手の修繕業者よりも工事費用を抑えられる可能性があります。
マンション近くの工務店に依頼すれば、何かあったときにすぐに駆けつけてもらえるのもメリットの一つです。

リフォーム会社

リフォーム会社とは、さまざまな分野の専門業者と提携している会社のことです。
別々で専門業者を手配するのは費用も労力もかかりますが、リフォーム会社に依頼すると一任できます。
工事内容に応じて業者を手配するのはもちろん、アフターサービスが充実しているのがメリットです。
しかし、リフォーム会社によって得意としている分野や工事範囲が異なるため、依頼先が限られてしまう可能性もあります。
大手のリフォーム会社は大規模な工事も可能ですが、実際の工事は外部に委託するケースもあるため、施工技術や実績が把握できないまま施工当日を迎えることも少なくありません。

管理会社

管理会社とは、マンション全体の管理業務を担う会社のことです。管理会社の中には、自社で大規模修繕を行う場合があります。
マンションの状態を熟知していることから、オーナー・管理組合は安心して任せられるのがメリットです。
ただし、管理会社の規模によっては自社で大規模修繕を依頼できない場合もあります。
管理会社への依頼はスムーズに進みますが、体制によって品質管理の範囲が異なるため、現場調査・設計・施工管理の担当範囲を確認する必要があります。
管理会社が自社で修繕を行えない場合は、下請け業者に依頼するため、コストが割高になる可能性があります。

大規模修繕の専門業者

大規模修繕の専門業者とは、屋上防水工事や外壁改修工事、設備工事などに特化した業者のことです。
大規模修繕に関する知識や技術が高いため、高品質な仕上がりが期待できます。
豊富な現場経験を培ってきたことで、状況に応じて迅速に対応できるのが専門業者の強みです。
ただし、屋上防水のみに特化している、または外壁改修のみに特化している専門業者が多いため、複数の工程を同時に進めるのが難しい場合があります。
業者同士の調整が円滑にできなければ、予定していた工期よりも長くなる可能性があることも理解しなければなりません。

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修繕業者の選定方法

修繕業者を決めるときは、いくつかの選定方法があります。状況に適した選定方法を行って、信頼できる修繕業者を見つけましょう。

入札方式

入札方式とは、修繕工事を行いたい業者を募り、その中で価格競争を行う方法のことです。
修繕業者は提示された工事仕様書に基づいて見積もりをします。
入札方式は、発注者にとって最も条件に合う価格を提示した業者が選ばれやすい方法です。
そのため、入札に参加する業者は、他の業者よりも安い価格を提示しようとします。コストダウンを図れる選定方法ではあるものの、高品質な施工が期待しにくい場合があります。

見積もり合わせ方式

見積もり合わせ方式とは、複数の修繕業者に見積もりを依頼する方法のことです。
相見積もりと呼ばれることもあり、工事価格や工事内容を比較できます。
ただし、見積もり内容がバラバラだと比較が難しくなるのがデメリットです。
工事範囲や工事内容、その他の希望を整えた上で見積もりを依頼しても、業者によって多少内容が異なります。
見積もり合わせ方式を行う際は、価格だけに重点を置くのではなく、工事内容も念入りにチェックしましょう。

特命随意契約方式

特命随意契約方式とは、最初から一つの修繕業者に工事を依頼する方法のことです。
多くの場合、前回の大規模修繕を依頼していたり信頼関係があったりする業者に依頼します。
特命随意契約方式のメリットは、複数の業者に見積もりを依頼せずに進められるため、時間があまりかからないことです。
前回の大規模修繕を行った業者であれば修繕履歴を把握しているため、不具合が起きている箇所や建物に対する適切な修繕方法がすぐにわかるでしょう。
デメリットは、最初から一社に絞って指名すると、工事価格が割高になったり施工が手抜きになったりする恐れがあることです。
施工不良を防ぐためにも、修繕会社に丸投げはせず、ご自身で施工状況をチェックする、もしくは第三者に依頼して仕上がりを確認してもらうと安心でしょう。

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修繕業者選定の流れ

大規模修繕工事を行う業者を選ぶのは、管理組合内に設立される理事会です。
住民の代表として理事会が業者を決めますが、大規模修繕の専門家ではありません。
規模や合意形成状況により異なるが、一般に数か月〜1年以上前から、診断・仕様検討・業者選定を進めることが多いです。
専門家の力を借りながら、修繕計画や資金計画を作成し、大規模修繕工事の業者選定をしましょう。
一例として、大規模修繕工事の業者選定は次のような流れで行います。

  1. 建物の劣化診断を受ける
  2. 工事内容をまとめる
  3. 複数の修繕業者に見積もりを取り寄せる
  4. 実績を確認する
  5. 修繕業者を決定する

まずは建物の劣化診断を受け、必要な修繕箇所を明らかにして修繕計画を立てましょう。
修繕設計は、一級建築士事務所や民間の診断会社、大規模修繕に詳しい会社に依頼できます。
劣化診断から修繕計画まで一貫して行える会社なら、スムーズに進むのでおすすめです。
工事内容がまとまったら、複数の修繕会社から見積もりを取り寄せましょう。
見積もり金額や工事内容を比較しつつ、施工実績の豊富さや評判もチェックすることが大切です。
条件の合う修繕業者を見つけられたら、総会で修繕業者を決定します。

雨漏り・外壁劣化を放置した場合のリスク

雨漏り・外壁劣化を放置した場合のリスク
大規模修繕は劣化部分を見直し、外観や入居者の安全を確保するために実施します。
法律で明記されているわけではありませんが、12~15年周期での実施が多いことが示されています。
しかし、もしも大規模修繕を行わなかった場合、建物はどうなるのでしょうか。
以下にて、雨漏り・外壁劣化を放置した場合のリスクについて解説します。

雨漏りによる建物劣化

外壁や屋上防水の劣化を放置すると雨水が建物内部に侵入し、コンクリートの中性化や鉄筋の腐食を引き起こします。
鉄筋が錆びて膨張すると外壁にひび割れや剥落が生じ、タイルの落下事故など重大な安全リスクにつながります。
初期段階で防水工事やシーリング工事を行えば軽微な修理で済みますが、劣化が進行すると躯体補修や大規模な修繕工事が必要となり、費用が大幅に増加します。

資産価値・賃貸収益への影響

外壁の汚れやひび割れ、雨漏りはマンションの印象を大きく損ね、資産価値の低下につながります。
中古市場では修繕履歴や外観状態が評価されるため、大規模修繕を実施していない物件は売却価格が下落しやすくなります。
賃貸マンションの場合、雨漏りや外壁劣化は入居者の不満やクレームの原因となり、退去や空室増加によって賃貸収益が減少するリスクがあります。

管理責任と補償リスク

雨漏りを放置した場合、大家や管理組合、管理会社の管理責任が問われる可能性があります。
建物の維持管理は所有者の義務であり、損害賠償請求や家賃減額請求の対象となるケースもあります。
定期的な外壁診断や赤外線調査を実施し、劣化箇所を早期に修理することが、トラブル防止と長期的なコスト削減につながります。

賃貸マンションでの大規模修繕とオーナー責任

大規模修繕は「建築基準法」や「区分所有法」によって、管理組合やオーナーに特定の責任を課しています。
不動産投資などでオーナーになった場合、自分にどのような責任が発生するのかを理解していなければ、突然大きな出費が発生することがあります。
以下にて、賃貸マンションでの大規模修繕とオーナー責任について解説します。

大家・管理組合の責任範囲

賃貸マンションにおける大規模修繕は、原則としてオーナーや管理組合の責任で実施されます。
民法・借地借家法の趣旨として、貸主には目的物を使用収益できる状態で提供・維持する責務があるとされます。
外壁、屋上防水、共用廊下、給排水設備など共用部分の修繕は管理組合が修繕積立金から負担します。
専有部分の修理については、原則として区分所有者が負担しますが、原因が共用部分にある場合は管理組合側の負担となります。

入居者対応と補償

大規模修繕工事中は足場設置や塗装作業により、騒音・臭気・日照低下など入居者の生活環境に影響が出ます。
そのため、事前説明会の実施や工事スケジュールの周知、クレーム対応体制の整備が重要です。場合によっては家賃減額や一時的な補償対応が必要となるケースもあります。
適切な説明と配慮を行うことで、入居者満足度の低下や退去リスクを抑制できます。

業者選びにおける注意点

マンションの大規模修繕工事を請け負う業者は数多くあります。
業者選定しているうちに、どこも同じように思えてくるかもしれません。
優良業者に依頼するためにも、以下に挙げる注意点を押さえておきましょう。

  • 新築時の業者にこだわらない
  • 業者の経営状況や施工実績を確認する
  • 入居者や近隣住宅への配慮ができるかどうか

大規模修繕の依頼先には、いくつかの選択肢があります。
そのため、建物を新築した業者に依頼しなければならないという決まりはありません。
新築メインの会社であれば、修繕工事は下請け業者に依頼することになるため、費用が高くなってしまう可能性があります。
新築時の業者が条件に当てはまらない場合は、新しく業者を探しましょう。
新しく修繕業者を探す際は、経営状況や施工事例の確認をしておくと安心です。
経営状況が悪い業者に依頼すると、万が一倒産した際に工事が完了しない危険性が伴います。
大規模修繕の施工事例があまりない業者への依頼よりも、実績豊富な業者がおすすめです。
近年は修繕業者のホームページに施工事例を掲載していることが増えているため、見積もりを依頼する前にチェックするとよいでしょう。
また、入居者や近隣住宅への配慮が行き届いているかも判断材料の一つです。
大規模修繕工事中は騒音や振動、臭いなどが発生します。
これらは入居者や近隣住民にとって不快なため、配慮が行き届いていなければクレームに発展します。
業者を選ぶ際は、入居者が生活している中での大規模修繕の施工事例があるかどうかも確認しておきましょう。

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管理会社と修繕会社の役割の違い

管理会社と修繕会社の役割
管理会社と修繕会社は、どちらもマンションの維持管理に関わりますが、担う役割は大きく異なります。
以下にて、管理会社と修繕会社の役割の違いについて解説します。

管理会社の役割

管理会社は管理組合やオーナーの代理として、建物管理、長期修繕計画の策定、業者選定の補助、住民対応などを担います。
大規模修繕においては、修繕計画の立案や見積取得の支援、住民説明会の運営などが主な業務です。
ただし、管理会社自体が施工を行うわけではなく、実際の工事は外部の修繕会社に発注されます。

修繕会社の役割

修繕会社は外壁塗装、防水工事、シーリング工事、タイル補修、足場工事などの施工を担当する専門業者です。
工事品質や安全管理、工程管理を担い、施工後の保証やアフター点検までを行います。
修繕会社の選定は工事品質と費用に直結するため、実績や資格、保証内容を比較して選ぶことが重要です。

修繕コンサルの必要性

修繕コンサル会社は第三者の立場で建物診断、仕様書作成、施工監理を行い、管理組合側の利益を守る役割を担います。
管理会社や修繕会社だけに任せるとコストや工事内容の透明性が不足する場合があるため、第三者監理を導入することで工事品質の確保や費用の適正化につながります。
特に大規模マンションでは、修繕コンサルの活用が失敗防止策として有効です。

おわりに

本記事では、マンションの大規模修繕工事について解説しました。
マンションの大規模修繕は、外壁や防水、設備など経年劣化した共用部分を定期的に改修し、安全性と資産価値を維持するために欠かせない工事です。
修繕業者には複数の選択肢があり、価格だけでなく実績や施工体制、入居者対応力を踏まえた選定が重要となります。
劣化を放置すれば、雨漏りや構造劣化、賃貸収益の低下、管理責任や補償リスクにつながる可能性もあります。
信頼できる業者と適切な計画のもとで大規模修繕を行うことが、建物の価値と居住環境を長期的に守ることにつながります。

マンションは時が経つにつれて外壁や給排水配管などの劣化が目立ってきます。
劣化を放置すると美観を損ねるだけではなく、資産価値も下がります。
築年数のある建物は特に美観や価値を維持しないと、入居率を上げるのはなかなか難しいでしょう。
信頼できる業者を見つけて、定期的に大規模修繕を実施することが大切です。

 

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